2013年08月04日

奉納エイサーについて

奉納エイサーについて
●宜野湾市普天間一区青年会,普天満宮での奉納エイサー(2012年ウンケー)

今回は奉納エイサーというものについて考えてみたいと思います。写真は沖縄県内外から奉納エイサーばかりをピックアップしました。
神社や寺院への奉納演舞としてのエイサー。沖縄県の場合は,神アシャギやヌルドゥンチ(ノロ殿内)などでの演舞もそれに該当します。
 写真は,去る2012年の旧盆時期のもの,および2013年に本土で撮影したものからセレクトしました。

冒頭は,沖縄宜野湾市の鎮守,普天満宮での奉納エイサー。ウンケーの夕暮れ時,神社近隣の普天間一区青年会と野嵩三区青年会が相次いで演舞しました。

奉納エイサーについて
●宜野湾市野嵩三区青年会,普天満宮での奉納エイサー(2012年ウンケー)


変わって,沖縄県内は恩納村からの奉納エイサーです。

奉納エイサーについて
●恩納村安富祖区青年会,安富祖根屋(ニーヤー)での奉納エイサー(2012年ウークイ) 

神社ではなく,今度は集落の宗家,根屋(ニーヤー)。
ウークイの昼下がり,安富祖のシンカたちが自らの村の根屋を囲んでエイサーを演舞・奉納しました。沖縄県下では,安富祖区の例のように根屋をはじめノロ殿内(ヌルドゥンチ)や神アシャギ,ウタキの前でエイサーを踊り,奉納することがよくあります。
 
エイサーとは旧盆にこの世に一時的に戻って参った祖先霊をもてなし踊るのが大きな趣旨のひとつになります。神アシャギやウタキ,例示のある根屋(ニーヤー)といえば,集落を創始した故人を祀る場所であったり,集落共通の祖神を祀る場所であったりします。すなわち,祖神や遠い祖先が神となった祖先神は,多数いる祖霊の中のひとつ。いわば,集落のアシャギやドゥンチに祀られる神様もまた祖霊の一種なので,祖先神が宿る根屋(ニーヤー)や神アシャギでエイサーを奉納するのもまた祖先供養の一環なのです。言い換えれば,旧盆エイサーの一部であると考えて差し支えないでしょう。

奉納エイサーについて
●恩納村恩納区青年会,宵の恩納ヌルドゥンチでの奉納エイサー(2012年ウークイ)

奉納エイサーについて奉納エイサーについて
●御願所前での奉納エイサー。左がうるま市屋慶名青年会(2008年ウークイ翌日)と,右が名護市世富慶青年会(2006年ウークイ翌日)

祖神を祭祀するという性格上,沖縄にある神アシャギやウタキ,根屋(ニーヤー)などは本土でいう「神社」に分類されます。



【東京から,寺院等での奉納エイサー】

奉納エイサーについて
●去る中野チャンプルーフェスタ2013での,新井薬師寺でのエイサー奉納(2013年7月14日)
 
(※ただし、この写真のエイサー自体は沖縄県から東京に来た青年会)


場所は東京。本土と沖縄という場所の違いはあるものの,地域の鎮守へのエイサー奉納(御願エイサー)であるという点においては,冒頭の普天満宮奉納エイサーと同様な性格を有するものといえるでしょう。
 しかし,奉納エイサーそのものがどうというよりは,沖縄の青年会と本土のエイサー団体の間には,奉納エイサーの位置づけに違いがあるように思えます。

 
奉納エイサーについて
●同じく,中野チャンプルーフェスタ2013での,新井薬師寺でのエイサー奉納(沖縄市池原青年会) 

これら奉納エイサーは,沖縄県の青年会等では,地域供養・祖霊供養の一環としてだいたい旧盆のエイサー道ジュネーと同じ枠組みで行われることが多いです。まずは地域の寺社ないし御願所で一演舞してから,集落をエイサーで練り歩く道ジュネー(シママーイ)へと向かうというパターンが殆どでして,沖縄県の伝統エイサーに関する限り,地域での奉納エイサーは旧盆エイサー道ジュネーと一心同体のものと考えて差し支えはないようです。

沖縄の青年会にとっては,奉納エイサーは基本的に旧盆エイサーの一部
 


奉納エイサーについて
●地域盆踊りでの,地蔵堂前でのエイサー奉納(東京都小平市,2010年8月) 


一方,問題は本土のエイサー。東京中野区をはじめ近年,本土でも沖縄の青年会型のエイサーを行う団体が散見されますが,元来,旧盆エイサーという伝統行事がなかった本土については事情がかなり異なっているといえるでしょう。本土で伝統エイサーを行う団体は,沖縄の青年会よろしく自身が属する地域とのつながりを持とう,溶け込もう,貢献しようと尽力するところから始まるわけなので,当然,沖縄のようにはじめに旧盆ありき,はじめにエイサー道ジュネーありき,というわけには行きません。そこが沖縄の青年会と大きく異なるところになります。本土のエイサー団体が地元の地域社会に溶け込むためには,本土の地元のしきたりと妥協し馴染み,沖縄の青年会エイサーとはまた違った独自の進化を遂げて行かざるを得ないという事情があります。地域の寺社の例祭やまつりがあれば,それに迎合した活動を行う必要もあり,“郷に居ては郷に従え”式に本土のやり方を踏襲しながらエイサーを続けていくしかありません。そこで重要になるのがエイサーの地域寺社への奉納です。
 旧盆の道ジュネーは沖縄ならではの民俗行事ですが,地元の芸能をまつりの機会に奉納するしきたりは本土でもよくあることなので,本土のエイサー団体にとっては,この祭典での芸能奉納が,所属地域での一番のアピールの機会(エイサーとして地域に認知され得る唯一の機会といっても過言ではない)になるといえるでしょう。

地域での奉納エイサーが本土のエイサー団体にとって最重要行事であり,旧盆道ジュネーの代わりとなるもの


・・・以上,特にエイサーをやったことがない素人の自分が,本土と沖縄のエイサーを見比べてそのように感じたというレベルなので,考察に稚拙なところがあるかもしれません。しかし,沖縄の青年会と本土の青年会型エイサー団体にとっての,奉納エイサーに対する両者のスタンスの違いはだいたいこのようなものではないでしょうか。
2013/8/3 KI執筆 奉納エイサーについて



色不異空  空不異色  色即是空  空即是色・・
やあ、KIさん、今度は奉納エイサーか。奉納エイサーについて

確かに沖縄ではウガンジョでひと踊りしてから、島周りするのが多いけど、

旧盆の習慣がもともとなかった本土のエイサーでは地元のお堂での奉納のエイサーが島周りの代わりになるわけね。

もとをただせばエイサーも仏教の念仏踊りだしね。

色不異空  空不異色  色即是空  空即是色・・
 
 

同じカテゴリー(エイサー2012)の記事
Posted by まほろば旅日記編集部 at 02:28 │エイサー2012